story9 なぜ傾聴で聴くときに感じることが大切になるのか

頭で考える思考、気持ちを感じるハート

story8に書いて来たとおり、自分への傾聴ができるようになってくると、楽に生きられるようになってきました。
傾聴を学ぶと、自分の思いと相手の思いを分けることができるようになってきます。

自分の思いを否定せずそのまま受け止める
自分に共感して自分が自分の心をわかってあげる

それを日常的にやっていることで、自分の気持ちに気づくことがだんだん早くできるようになってきました。

始めはどうしても、思考が働くので気持ちに意識が行かないことも多いです。
ずっと頭で考えて生きてきましたので。

こうしたら相手はやりやすいだろう
それをやっては相手は困ってしまうだろう


こんな思考がいつもあったので、自分の心に耳を傾けることはなかなか難しいことでした。
ハートで感じる、心で感じる。
こんな風に表現してみると、抽象的なのでわかりにくいんですよね。

だけど、ちゃんとあなたには気持ちがあるのです。
それに気づきやすいのは、自分がイヤな気持ちになった時です。

なんだかわからないけど気持ちよくない
なんだかわからないけど腹が立つ
なんだかわからないけどモヤモヤするこれが、あなたの思いと違うことをやっているんだよという合図だったりします。

あなたはなんだかイヤな感じがすることを無理にやっていませんか?

モヤモヤはチャンス到来なのです

この自分のなんかいい気持ちになれないというモヤモヤは、自分の望みと違う方向に行こうとしているよというお知らせです。
自分の思いのままにやっている時は、そんな気持ちにならないので。

中には、これは素直にできるけど、こういうところはモヤモヤするなぁ…
などど複雑に入り組んだ感情に気づく時があります。

特にこの入り組んだ感情に気づく時というのは、人に傾聴してもらった時に出て来ることが多いです。

自分で「こんな思いとこんな思いがあるなぁ」というところに気づけるようになるには、なかなか時間がかかるかもしれません。
特に頭で考えることが得意な人は。

どうしても論理的に考えたり頭で納得してからでないと動けない方は、自分への傾聴が苦手と感じる方も少なくありません。
だけど、自分の心を聴こう聴こうと日常的にやるようになっていかれると、以前より確実に聴けるようになっていかれます。

モヤモヤは自分の気持ちを聴くチャンス!
なので、モヤモヤしている自分にきづくところから始めてみてください。

傾聴は型だけではできないのです

少しずつでも自分の心を傾聴できるようになってきたら、相手の傾聴もできるようになっていきます。
この同時進行をしていくことが、傾聴上達に繋がっていくと考えています。

傾聴の型を先に知ってこうやるんだということがわかったとしても、この心の動きの体感がないと、型だけの傾聴になってしまうのです。
この型だけの傾聴の練習ばかりに取り組んでしまうと、つい人の話を聴いている時に型だけで聴いてしまうのです。

これは気持ちだからくり返そう
相手とペースを合わせよう
あいずちを長く入れてみよう

もちろんこんな風にやるんだよというのはあるのですが、それだけを練習するのは傾聴の型の練習をしているだけなのです。

相手の話を聴いている時に、私の心はどんな風に動いているのだろう
そんなことがあったらツラくなるよね~
相手と同じ状況なら、私はこう思うよね~

文字だけでは伝わりにくいかも知れませんが…

相手と一緒に心が動いているのか、それを体感的にわかろうとすると、実践的なロールプレイの練習が必須になります。
実際の人の悩みを聴いたり、嬉しいことを聴いたり。
相手のエネルギーの乗った本当に感じていることだから、聴き手にとってもそのエネルギーを感じながら話が聴けるのです。

私は傾聴で相手と関わることを「自分と相手との誠実な気持ちと気持ちのやり取り」とよく書いていますが、簡単に言ってしまうと「自分と相手とのエネルギー交換」だと思っています。

そのためには感じることを意識した実践練習が一番傾聴が上達していくものだと思います。

新講座ではこの「感じる」ことを中心に置いて、型だけではない傾聴の練習に取り組んでいただきたいと思っています。

まとめ

傾聴は「自分と相手との誠実な気持ちと気持ちのやり取り」です。
それには自分はどう感じるのか、相手はどう感じているのか、この「感じる」ことがとても大切になります。

自分の気持ちを傾聴できる人は、相手への傾聴もできるようになっていかれます。

あんたは感じることを意識していますか?
頭で考えるのではなくハートで感じてみましょう。

あなたがあなたでいられますように。