story7 自分の気持ちを傾聴してこなかった代償

自分の思いを表に出す人への心の反応

あなたは自分の思いを表に出すことは得意でしょうか。
「私はこう思う」「私はこう感じる」
本当に自分が感じていることをストレートに表現できる人を見ていて、以前はとても強い人、怖い人のように感じていました。

自分の思いはあるのにそれを表現せずに、周りに合わせて生きている。
そんな自分に気づくことすらできていませんでした。

気づくことすらできていないというよりも、周りに合わせることでコミュニケーションがうまくいくと思っていたのです。

だから、自分の意見をハッキリ言う人に心が反応していたんですよね。
「なんであんなこと言えるんだろう」
「なんでわざわざもめるようなことを言うんだろう」

なによりも揉めないこと、その場がうまくまわることが私にとっては最善でした。

自分でこれ!と選ばず生きてきた

周りを優先して生きていると、だんだん「自分の気持ち」という存在すらわからなくなります。
なんとなく過去を振り返ってみると、昔からそんな自分がいました。

小学生の時の卒業文集に書いた将来の夢「三味線講師」。
小学3年生の時から三味線を習い始め、20歳頃まで続けていたのですが、めちゃくちゃ好きでどうしてもやりたいと思っていることではなかったのです。
だけどなんで書いたか。それはピアノを習っている子が「ピアノ講師」と書いていたから。
自分の夢じゃなく、周りの子が書いていたから自分が習っていた三味線と書いたのです。

そして、中学時代も。
義務教育の間は学校にいくのは義務。なにも考えずに行くのがあたりまえでした。
そして高校受験を考えた時に将来を何気なく考え出すことがありました。
その時に「これからは自分で選ばなきゃいけないからどうしたらいいのかわからない…」
そんな思いを抱いたのを憶えています。

それ以降の人生でもそう。
全て自分で選んでいたようで、入れる学校、入れる就職先、そんな感じ。
これ!という思いではなく、何気なく選んで来た気がします。

夫との結婚を決めた時だけは、自分で選んだと言い切れますけどね~!

そして苦しくなる…

自分の気持ちに意識を向けることをやって来ていなかったので、周りに合わせることが私だと思うようになってきました。
自分の気持ちはあるのに、ないものとして扱う。なんと自分を粗末に扱い、ないがしろにして来たのだろうと今なら思います。

夫に「リエはバランサーやな!」と言われたことがあります。
夫はきっと褒め言葉として言ってくれたのだと思いますが、今考えるとバランスを取ることをやりたいと思っていた訳ではありません。

周りのバランスを取るとうまくいく。
みんなが気持ちよく動けるように。

もちろんこの考えを今でも全否定するわけではないのですが、自分の気持ちに気づき、やりたいからやっているならいいのです。
その時は自分に意識が全く向いておらず、周りはこの方が良いだろうと勝手に察してやっていただけ。
なので先に動くことをするので、気が利くねぇと言われることはよくありました。

自分の気持ちにをないがしろにしながら、人ばかりを優先していく生活は、実はとっても自分に負担がかかっていたようです…
苦しくなっている自分に気づいてあげないと、身体がSOSを出してくるようになりました。

・突然涙が流れ出す
・夫の怒鳴り声に過呼吸になる
・夫が帰って来ただけでびくっとする

もうこうなったら一緒には暮らしていけないと思い別居をきりだしました。
当時高校生だった息子もいるので、私になにかあっては息子を育てられないと思いましたから。

傾聴に出逢い衝撃を受ける

別居してからフルタイムで契約社員で働きだしました。
息子と2人暮らしになり、食べて行かなければと一生懸命働いていました。
その会社でもまだ周り優先のまま。

そんな状態ではうまくいかないのがあたりまえです。
きっと自分の心はまだまだ叫んでいたのでしょう。

必死で働いていましたが、そこでも身体を壊し休職からの退職。
その休職中にであったのがカラーセラピーでした。

カラーセラピーに出逢い、やりたい!と思ってとんとん拍子にカラーセラピスト養成講座を開講できるトレーナーになりました。
講座の中で「カラーセラピストの仕事は人の話を傾聴することです」とお伝えしているのですが「私は本当に傾聴できてるのかな?」
という疑問が湧き、傾聴を学びたいと思い所属協会の門をたたきました。

初めて学んだ傾聴講座で、自分の気持ちを書くワークがありました。
みんなが自分の気持ちをどんどん書いている中で、私は全くペンが進みません。

先生が教室内を様子を見ながら歩いていて私の横に来られた時に「書けません…」と言ったのを憶えています。
自分の気持ちを聴こうとしてこなかった私は自分の心の声は見つけられなかったのです。

講座では「人の話を傾聴したいなら、自分の心の声を傾聴することが大切です」と学び衝撃でした。
自分の気持ちを書けない私は、人の話を傾聴できないかもしれない…
だけど傾聴をしたいし、傾聴が必要だ。


そこから私は自分の心の声を傾聴することに意識を向けるようになりました。
なにかある度に自分に聴くのです。
「今どう感じた?」「今どんな気持ち?」

それを日々練習していきました。もちろん今も練習中です。
だけど傾聴に出逢う7年前とは全く違い、ずいぶんと自分の心の声を聴けるようになってきましたよ!

まとめ

自分の気持ちが聴けていないことにすら気づかず、自分で選択することをせず、長い時間を生きてきました。

夫との別居という大きなきっかけがあり、傾聴にたどり着き、自分の心の声の傾聴にフォーカスして生きるようになったことで、今までに体験したことがない心の安定と穏やかな生活を手に入れています。
別居していた夫とも2年の別居を経て、穏やかな夫婦関係を築けています。

あなたがこれを読んでくださっているということは、傾聴に出逢っているということです。

少しでも私のように、今より楽に生きられる人が増えることを望みます。

あなたがあなたでいられますように。