人の話が楽に聴けるようになる聞き方のコツ① 聴き方の種類

話の聞き方がわからない!
人の話しを聞いているとしんどくなる。
もっとうまく話を聴きたい!

など、聞き方のコツがあるなら知りたい!と思われるあなたの少しでもお役に立てればと思い、傾聴をお伝えしている私なりの、聞き方のコツをシリーズ化してみようと思います。


まず始めに「聞く」と「聴く」の違い

聞く→ 音・声を耳に受ける。耳に感じ取る。
聴く→ 注意して耳にとめる。耳を傾ける。
(引用 goo辞書)


辞書では、こんな風に表現されていました。

確かに傾聴と言えば、相手に耳を傾けて聴くことです。

私の感覚では、耳はもちろんですが、相手に自分の心を傾けて聴くという感覚です。
「相手の気持ちをわかろうとして、自分の気持ちを傾けて聴く」
気持ちと気持ちのやり取りをする感覚です。

タイトルでは「聞き方のコツ①」と書いていますが、「聴き方のコツ①」をお伝えしていきますね。

聴き方には種類があります


聴き方には話し方と同様に種類があります。

普段よく使っているのが「日常会話」
それともうひとつは「傾聴」です。

この2種類の聴き方があると考えてみてくださいね。

まずは話し方の種類


普段のあなたの話し方を考えてみてください。

あなたは話をする時に、相手によって話し方を自然と使い分けていらっしゃると思います。

先輩や上司など、目上の人には尊敬語や謙譲語
友達などの同じ目線の方にはため口
目下の人や子供には指示や命令になったりすることもあるのではないでしょうか。
話し方は意識をせずに自然に使い分けていらっしゃると思います。

聴き方の種類


話し方に種類があるように、聴き方にも種類があるのです。
「日常会話」と「傾聴」です。
この2種類の違いを説明します。

①日常会話

普段されている聴き方がこちらになると思います。

・交互にお互いが話す
・事柄を聞き、気持ちは察する
・違う話題に変える
・自分の体験を話す
・励ます
・アドバイスする
・問題解決をしようとする

②傾聴

・聴き手に徹する
・事柄を聞き、相手の気持ちを聴く
・話を変えない
・自分の体験を話さない
・苦しいことや嫌なことを避けない
・安易な励ましをしない

この様な違いがあるんですね。

例えばこんな時


娘さんの不登校で悩んでいるお母さんの話しを聴いた時、あなたならどのように対応しますか?
娘さんの不登校で悩んでいるAさんと、お友達のBさんの会話を「日常会話」と「傾聴」で書いてみますね。

「日常会話」なら、こんな会話になるかもしれません。

A 「1週間前から娘が学校に行きたくないと言い出したの…毎朝起こしてもベッドから出て来なくて…もう朝声をかけるのもつらくなってきちゃって…」

B 「娘さんに理由は聞いたの?学校でイヤなことでもあったのかなぁ。なんか言ってた?」

A 「もちろん聞いたよ。だけど言いたくないの一点張りで…理由もわからなくて、もうどうしたらいいかわからなくて…」

B 「学校の先生は?なんて言ってたの?娘さんおとなしいからさ。先生にも誰にも相談できなかったんじゃない?だから不登校が唯一の抵抗だったんじゃない?」

…とこんな会話が繰り広げられること、ありそうですよね。

Bさんも心配してくれていることは伝わりますが、原因を見つけようと解決方法を探そうとしていますね。
これが「日常会話」です。

では「傾聴」ではどのように関わるかというとこんな会話になります。

A 「1週間前から娘が学校に行きたくないと言い出したの…毎朝起こしてもベッドから出て来なくて…もう朝声をかけるのもつらくなってきちゃって…」

B 「そうなんだ…朝声かけるのもつらくなってきちゃったのね…」

A 「そうなの。理由も話そうとしてくれないから、もうどうしていいかわからなくなってしまって…」

B 「そうなんだね。どうしていいかわからなくなってしまっているのね…」

とこんな感じになります。
悩んでいるAさんの気持ちをわかろうとして聴きます。
今目の前にいるAさんがどう思っているか、どう感じているか、Aさんの気持ちをわかろうとして聴いていきます。

傾聴で聴いた場合はAさんが話した気持ちをそのままくり返しています。
傾聴で相手の話しを聴く時には、相手が使った言葉をそのままくり返します。

この「くり返し」にもポイントがあります。

焦点を当ててくり返すのは、目の前にいる「相手の気持ち」です。
それも、ただくり返すだけではなく、聴き手の気持ちをのせてくり返します。
(なぜ気持ちをのせてくり返すのかは、また別の機会に書きますね)

自分が今、目の前の人とどう関わりたいか


この聴き方の違い、感じていただけましたでしょうか。
これは、どちらの聴き方が良いとか、どちらの聴き方が悪いと優劣をつけるものではないのです。
大切なのは
「今自分が、目の前の人にどう関わりたいか」
です。

今目の前の人と「日常会話」をしたいのか、「傾聴」をしたいのか。
自分が「傾聴したい」と思った時に「傾聴」を使えるように、新たにもうひとつ「傾聴」という聴き方の引き出しを増やしませんか?

今は「傾聴」という引き出しがぼんやりしている状態だと思います。
自分が「傾聴したい」と思った時に、自分の選択で「傾聴」という引き出しが開けられるように、なるといいですね。

自分が相手の話を傾聴したいと思うのであれば、自分の望み(傾聴したい!という気持ち)を叶えるためにぜひ傾聴を使ってみてください。

今回の聴き方のコツ①まとめ


聴き方には「日常会話」と「傾聴」という種類があります。
あなたが「傾聴したい」と思った時に「傾聴」が使えるように、新しい引き出しを増やすのもいいですね。
傾聴には「くり返し」というスキルがあり、くり返すのは目の前にいる相手の気持ちです。

傾聴は自分と相手の誠実な気持ちのやりとりです。
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